赤ちゃんに飲ませる粉ミルクにミネラルウォーターを使っても大丈夫か、気になるママも多いでしょう。
水道水よりも安全だと思い、安易にミネラルウォーターで調乳してしまうと赤ちゃんの体に負担がかかってしまう場合があります。
今回は、赤ちゃんの胃や腸、肝臓に負担をかけないミネラルウォーターや水の選び方をご紹介しましょう。
ミネラルウォーターに違いはあるの?
どれも透明で同じように見えるミネラルウォーターにも、実は商品によって様々な違いがあります。
ミネラルウォーターは農林水産省のガイドラインでは「特定水源で採取された地下水のうち、地下でミネラル成分が溶け込んだもの」とされ、その殺菌方法も成分も商品によって異なるのです。
地下から汲み上げた水を殺菌する方法は、加熱殺菌・オゾン殺菌・紫外線殺菌などが挙げられます。
また、溶け込んだミネラル成分の量や配分などにも違いがあります。
基本的にミネラルウォーターはミネラル成分の量つまり硬度の違いで軟水と硬水の2種類に分けられ、硬度0〜120mg/Lが軟水、硬度120mg/L以上が硬水です。
その他にも、硝酸態窒素・亜硝酸性窒素などの体に良くない成分が微量ながら含まれているミネラルウォーターも存在します。
体の小さな赤ちゃんにとって、微量でも有害成分が含まれている製品は避けたいものです。
赤ちゃんの粉ミルク用にミネラルウォーターを購入する場合は、商品の成分表をしっかりとチェックして、有害成分が含まれていないか確認し、硬度の低い軟水を選びましょう。
軟水と硬水の特徴
日本の水道水、日本産のミネラルウォーターはほとんどが軟水です。
東京都の水道水の硬度は約60mg/L、日本の有名メーカーから発売されているミネラルウォーターの硬度は約25mg/Lから硬度の高いものでも約84mg/Lとなります。
一部、海の深層水などの商品で硬水もあるものの、基本的には日本の水は軟水と言って良いでしょう。
軟水のメリットとデメリット
マグネシウムの含有量が少ない軟水はお腹に優しい水なので、赤ちゃんや幼児でも安心です。
胃や腸が未発達な赤ちゃんや幼児にとって、硬水に多く含まれるマグネシウムは負担となります。
また、日本料理は素材の味を出汁で味わいます。
余分なミネラルが含まれていると美味しい出汁が取れず、硬水で昆布だしをとるうま味が取れず、出汁に昆布臭さが残ってしまいます。
赤ちゃんの口に入る離乳食には、素材の繊細な味を生かせる軟水がおすすめです。
さらに、軟水は肌馴染みが良く髪にも優しいため、デリケートな赤ちゃんの沐浴には日本の水が向いています。
海外旅行先で、いつもの石鹸とシャンプーを使ったのに、肌がつっぱったり髪がゴワゴワしたりした経験がある人もいるでしょう。
海外の水はカルシウムやマグネシウムが多く含まれているため、肌や髪にも影響があります。
そして、軟水を使うと石鹸や洗剤が良く泡立つ点もメリットとなるでしょう。
一方で軟水はミネラル補給には向いていません。
不足しがちなミネラルの補給目的には使えない点が、軟水のデメリットとなります。
硬水のメリットとデメリット
日本の軟水に対し、海外で使われている多くの水は硬水です。
下剤の成分にも使われるマグネシウムが多く含まれているので、便秘解消効果が期待できます。
また、日本料理の美味しい出汁には向かないものの、洋風の煮込み料理には硬水が適しています。
硬水で煮込むとアクが出やすいため、煮込み料理の肉の臭み消しも得意です。
さらに、カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが血液をサラサラにして、動脈硬化の予防効果も期待できます。
しかし、硬水は胃腸が弱い人には刺激が強く、お腹が緩くなる場合もあること、味にクセがあることなどがデメリットと言えるでしょう。
独特の風味や苦みがある硬水は、繊細な味・香りを楽しむ料理やコーヒーなどの香りを邪魔してしまいます。
赤ちゃんの未発達な体にとって、硬水のミネラルウォーターは負担になります。
粉ミルク用にミネラルウォーターを購入する場合は、しっかりと硬度を確認して、できるだけ硬度の低い軟水を使いましょう。
さらに、赤ちゃんの離乳食は体への負担だけでなく、味覚の発達のためにも繊細な味を覚えられるように軟水を選ぶことをおすすめします。
ウォーターサーバーの水は?
安心安全な水、そしてお湯をすぐに使えるウォーターサーバーは人気があります。
粉ミルク用のお湯を毎回沸かして用意することは、なかなか大変です。
新生児の頃は約3時間おきにミルクを用意することになり、真夜中にお湯を準備する手間を負担に感じるパパやママも多いでしょう。
ウォーターサーバーを設置すると、いつでもお湯や水が使えて確かに便利です。
調乳する際には、雑菌が死滅するようにお湯の温度は70度以上が基本なので、しっかりと設定温度を確認してウォーターサーバーを使うようにしてください。
ただし、ウォーターサーバーは設置スペースだけでなく、届いた水の保管場所や使用済みのボトルを置く場所も用意しなければならず、意外と場所を取ります。
さらにレンタル料やメンテナンス料の他、配送料など様々な諸費用がかかってしまう上、利用すると電気代もかさんでしまうでしょう。
また、赤ちゃんのミルク用にお得なプランを用意している業者の中には、一定期間をすぎないと解約料がかかるケースもあるため、総費用が高くなりがちです。
水を買いに行く手間を省いたつもりが、定期的な清掃や温度設定などに手間取ることもあるので、導入するかは慎重に決めた方が良いでしょう。
スーパーで無料提供されている水は?
スーパーで専用ボトルを購入して利用する、無料提供の水は赤ちゃんの粉ミルクに向いているか、気になる人も多いでしょう。
基本的に、無料提供の水は水道水や地下水を活用しているため、硬度は軟水である場合がほとんどなので、その点では赤ちゃんの体への負担にはなりにくいと言えます。
しかし、無料提供水の水質はまちまちで見た目からは判断が難しく、中には不純物が混ざっている水がある可能性も否定できません。
お店によってろ過に使うシステムの質が違い、浄水能力が低いシステムを使っているケースもあります。
さらに、スーパーの無料提供水は塩素などの殺菌成分が取り除かれていることが多く、保存がききません。
専用ボトル内にわずかな汚れ、雑菌が残っていれば、たちまち雑菌が繁殖して水質が落ちます。
使いまわしの専用ボトルを使用する以上、雑菌繁殖のリスクは避けられません。
加熱して使用するとは言え、赤ちゃんには使わない方が良いでしょう。
赤ちゃんの体に負担をかけない水の選び方
赤ちゃんの体は大人と違い未発達です。
胃や腸、肝臓の負担にならないように、ミネラルウォーターは軟水を選びましょう。
また、スーパーの無料提供水を使う場合は、雑菌の繁殖リスクが心配です。
さらに、ウォーターサーバーを活用する場合も、定期的なメンテナンスをして清潔を保たなければなりません。
赤ちゃんのためにミネラルウォーターなどを用意する場合は、様々な角度から判断して使用する水を選ぶことが重要となります。
もちろん、ミネラルウォーターは手軽に利用できる安心な水です。
しかし、スーパーなどで売られているミネラルウォーターの多くには、硝酸態窒素・亜硝酸性窒素などの体に良くない成分も含まれています。
小さな赤ちゃんの体だからこそ、微量でも良くない物質が入っていないミネラルウォーターを選びましょう。
有害物資不検出のファストプロウォーターがおすすめです。
ぜひ、赤ちゃんの未発達な体に負担をかけない水の選び方を知って、子育ての参考にしてみてください。