水は人間にとって無くてはならない存在です。
しかし、体にとってどんな役割があるのか知らない人も多いでしょう。
そこで、水が体に与える影響が何なのか知るためにも、水を飲むことによって得られる効果や飲みすぎで起こる悪影響についてご紹介します。
人間の体の中にある水分
人間だけではなく、地球に生存しているすべての生き物にとって水は大切な存在です。
人間の体は、内臓や脂肪、筋肉や骨などで形成されていますが、ほとんどが水でできていることはご存知ですか?
胎児 | 約90% |
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新生児 | 約75% |
子ども | 約70% |
成人 | 約60~65% |
老人 | 約50~55% |
成人であれば体重の約60%が水でできているため、体重が50kgの人であれば30リットルもの水分が体内にあります。
体の中にある水分量は年齢と共に減っていくのですが、その理由としては脂肪が関係していると言われています。
男性と女性を比べると、女性の方が脂肪の量が多いために水分量は少ないです。
体内の水分量が減ることでの影響とは?
人間の体内には多くの水分がありますが、不足することで様々な悪影響を及ぼします。
例えば、水分が2%減少しただけで喉の渇きを感じ、3%減少すると食欲不振や強い喉の渇きを感じます。
4% | 体温の上昇・尿の減少・皮膚の紅潮 |
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5% | 頭痛 |
8~10% | 痙攣 |
これらの症状が表れ、20%以上水分が減少することで無尿を引き起こし、最悪の場合は死に至ってしまいます。
4%水分が減少しただけでも脱水症状が表れるので、水分の摂取は欠かせないものであることが分かるでしょう。
水を飲むことでのメリットとは?
ここからは、水を飲むことでの体への影響がどんなものであるか、そのメリットをご紹介していきましょう。
老廃物の排出
体内の水分は、毎日入れ替わっています。
食べ物や飲料で取り込んだ水分は、呼気や汗、便や尿から排出されているのですが、その水分量は1日2~2.5リットルとなります。
水分を取り込んで排出するサイクルが正常に行われることで、健康に過ごすことができるのです。
しかし、口にした水が体外に排出されるには約1ヶ月掛かると言われています。
1日に2リットルの水分を飲むことで体の中に溜まっている水分を正常に排出することが可能ですが、摂取する水分量が少なければ排出されるまでに時間が掛かり、古い水が体内に残ったままになってしまいます。
水分の入れ替えが正常に行われなければ血流や代謝、肌の衰えなど、様々な悪影響が及ぼされるでしょう。
老廃物を排出してサイクルを正常にするためにも、水の摂取は欠かせません。
栄養素と酸素を体の隅々まで運ぶ
血液の中には酸素や栄養素が含まれています。
その血液の約50%は水分でできているため、水分が不足することでドロドロとした血液になってしまうのです。
血液の流れが悪くなると、体に必要な栄養素を体中に運ぶことができません。
健康のために必要な栄養を積極的摂取していたとしても、血流が悪ければ必要な箇所まで届けることができないため、意味もなくなってしまうでしょう。
水分を摂ればサラサラな血液へと変化します。
必要な栄養素や酸素を体中に行き渡らせるためにも、水分緒摂取はこまめに行いましょう。
基礎代謝アップ
水を飲むと体が冷やされるので、冷やされた体を元に戻そうと体が働き、基礎代謝がアップします。
基礎代謝がアップすれば、脂肪燃焼効果が期待できるのでダイエットにも効果的です。
肌に潤いを与える
水分をしっかりと摂取することで肌の潤いにも影響があります。
シワやシミ、肌荒れに悩んでいる場合、水分不足が原因の場合もあります。
必要な水分が摂取できていないことで、体の表面にまで水分が行き渡らないためです。
摂取した水分は、生命を維持するために必要な器官から届けられるため、水分の摂取が少ない場合には、肌の水分量も減少してしまいます。
肌に潤いがなくなってしまうと、シワやたるみを引き起こすだけではなく、吹き出物やシミなど、様々な肌トラブルを招きます。
透明感のある美肌を目指すなら、積極的に水分を摂取しましょう。
食欲を抑制してくれる
ダイエットをしている人にとって空腹感は辛いものです。
しかし、こまめに水を摂取していれば空腹感を抑えられるのでダイエットに効果的となります。
食欲が抑えられるので、間食を減らすことにも役立つでしょう。
ミネラル豊富な水…ミネラルの働きとは?
無味無臭で色もないため、水には栄養が含まれていないと考える人もいますが、実は水にはミネラルといった立派な栄養素が含まれています。
ミネラルは体にとって無くてはならない大切な存在です。
ミネラルを補給するためにも水の摂取を怠らないようにしましょう。
また、ミネラルはいくつかの種類があるので、それぞれの働きを見ていきましょう。
カリウム
カリウムは体液の濃度を調整する働きがあります。
血圧を下げる役割もあるので高血圧で悩んでいる方は積極的に水分を摂取しましょう。
カルシウム
カルシウムもミネラルの一種です。
骨や歯など、人間の形成に必須な要素で、骨粗鬆症を防ぐ役割を持っています。
精神を安定させる効果もあるので、イライラした時には水を飲んで落ち着きましょう。
マグネシウム
カルシウムの代謝を促す栄養素です。
ミネラルバランスを保つためにも有効なので、不足しないよう心掛けましょう。
ナトリウム
ph調整や筋肉の収縮などの働きに関係しているナトリウムは、欠乏することで疲労感や食欲不振を招きます。
体に不調を感じたら水分を摂取して体調管理を行いましょう。
水の飲みすぎによる体への影響
体に良い影響を与えてくれる水ですが、飲みすぎることで悪影響を及ぼす危険もあります。
それは「水中毒」です。最悪の場合には死に至る怖い病気なので注意が必要です。
水中毒は、水分を一度に多く摂取することで血中のナトリウム濃度が低下し、様々な症状を招きます。
水中毒が疑われる症状は、下記が挙げられます。
- めまい
- 多尿
- 頭痛
- 下痢
- 頻尿
- 疲労感
- 浮腫
重症になると、下記の症状を引き起こし、死亡する例もあります。
- 嘔吐
- 意識障害
- 錯乱
- 呼吸困難
- 肺水腫
- 痙攣
- うっ血性心不全
ダイエットや美容、健康維持のために水を摂取することは効果的ではありますが、一度に多量の水を摂取するのではなく、少量の水を小分けにして飲むことが大切です。
また、ナトリウムを摂取するためにもスポーツドリンクで水分補給するようにしましょう。
硬度によって影響に違いがある
水は軟水と硬水の2種類に大別できます。
日本の水は軟水が多く、海外の水には硬水が多いため、硬水を飲んだ時に違和感を覚える人も中にはいます。
ただ、硬水にはミネラルが豊富に含まれているため、基礎代謝のアップや美容に効果的といった魅力があるのです。
一方でミネラルの中でもカルシウムとマグネシウムが多いと、悪影響を及ぼす危険もあります。
例えば、肝臓に障害のある方はカルシウムを過剰に摂取することで正常にろ過できず、体に負担を与えることになります。
マグネシウムは胃腸の動きを活性化する作用があるため便秘解消に効果的ですが、飲みすぎることで下痢になる可能性もあるのです。
内臓に負担を与えることにもつながるので、飲みすぎには注意しましょう。
水による体への影響はメリットばかりではありません。
体内の水分量の低下や摂取する水分量が多すぎることで悪影響を及ぼすため、適切な量の水をこまめに摂取することを心掛けましょう。